内部の不要部分や傷んだ所の撤去作業です。残したい部分を傷めないように、気をつけながら進めて行きます。同時に解体前には確認できなかった不具合箇所、地面の湿気、改善点などを見つけ出して、今後の計画の方向性を確定します。

解体前に下調べは入念に行いますが、解体中に見つかる問題箇所も多いです。この時点で建物の傷み具合に驚かれる施主様が多いですが、はっきりと現状と対策をお伝えするようにしています。中には問題無しとする業者もいますが、この時点で対策、改善しなければ、建物の強度、仕上がりが心配なものになってしまいますね。

解体後に本当の意味での方向性がでますので、着工前には施主様にしっかりとお伝えさせて頂いてます。そこは結構重要にとらえてます。前の建物に浸水や白蟻による食害など、何が原因で不具合が起きていたかを知る大切な工程です。

明日香村にて、築150年以上の平屋建て大規模リノベーション工事が完成しました。

こちらが、外観のビフォーアフターの写真です。

スレート瓦をいぶし瓦に葺き替え、外壁を板金、モルタル塗りから、吉野杉赤身材へと張替えを行いました。

サッシは、断熱性能に優れた最新のペアガラスを採用しました。

 

次回より、補強工事、内装工事をアップします。

 

 

 

続いて、外装部分です。

大屋根は、柔らかいフォルムを出した和瓦ぶきの「むくり屋根」です。

最近は軽い板金屋根が主流ですが、構造材をしっかり作りこんで和瓦を葺いたほうが瓦は長持ちしますので、長い目で見ればコスト削減になっていると思います。

玄関建具は、「もあび材」の一本引き戸袋しまいにしました。

外壁は、リシン吹付としました。サイディングが主流ですが、現場で塗装してもらうのも塗り替えなどができるので後々良いのではと思います。

 

 

2020年3月に、奈良県内で上棟した手刻みの平屋建て25坪が完成いたしました。

今回は、すべての窓に樹脂サッシを採用し、かつ壁や床、天井にはウレタン吹付断熱、防火区域には高性能グラスウールを用いて、家全体の断熱性能に重点をおいた無垢材の家としました。

玄関ホール

吉野産桧の敷台を使い、上り下りのしやすい高さ設定とし、天井は赤松の梁を見せた開放感のある高さの明るい玄関としました。

リビングダイニング

こちらも玄関と同様に曲がりのある赤松の梁を用いた構造材を見せつつの高さのある天井としました。こういった曲がり材を使えるのも手刻みの建物の良さの一つです。

床材は、吉野産桧の赤味材を用いました。桧材と言っても等級、色合いがたくさんあります。
予算に応じた使い分けをしています。



床には自然塗料を塗りました。
無垢材は足ざわりがしっとりしていていいですね。

 

 

今回の古民家改修は、生駒郡にて母屋、離れ、水回りの改修をさせて頂きました。

メインは、母屋の減築切離し工事による駐車場の確保をテーマに計画施工しました。

 

改修前

軽自動車1台がギリギリの駐車場でした。

 

8畳の二部屋を切り離したのち、切離し部分の浸水予防の立ち上がり及び屋根部分の不陸(フリク)の調整を行っているところです。

 

 

外壁材は焼杉板張り、建具は木製引き違い、屋根のけらば部分は補強のための持ち送りを付けました。

 

 

改修完了後

けらばの瓦は「ひらけらば」と言って、古民家でよく使われている瓦です。

本来、葺き替えなら「袖瓦」を使うことが多いのですが、より古民家らしさを

引き立たせる見栄えにするために、敢えて価格、施工時間、施工技術ともかかる

「ひらけらば」を採用しました。

 

目標としてた駐車場のスペースは、5台ほど確保することが出来ました。

屋根屋さんには無理を言いましたが、古民家らしい屋根に改修して頂けました。

現状の事情に合わせて、住みやすく改修できるのも構造のしっかりしている古民家

ならではの良さではないでしょうか。

 

2020年5月、県内のお寺さんの山門の屋根の改修をさせて頂きました。

本体はしっかりしていたのですが、建物は築年数不明なほど年数が経過しており、長年の風雨により屋根部分の損傷が激しかったので、部分的な修理を行いました。

 

改修前

解体中

 

工場にて加工、仮組み

 

彫刻は、奈良仏師の先生にお手伝い頂きました。

 

現場にて取り付け、瓦葺き待ちです。

完成写真は撮り忘れました。

 

今回は、お寺の部分的な取替修理でしたが、軽微な工事から新築まで承っております。

 

 

古民家改修
基礎の鉄筋工事
奈良県吉野産の杉の磨き丸太を使った茶室